ギャラリーレポ│第18回文化庁メディア芸術祭受賞作品展

先日、毎年恒例の「第18回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」へ行ってきました。アート、エンターテイメント、アニメ、マンガの4部門で優れた作品を展示紹介するイベントです。日本国内だけでなく、海外のアニメやマンガも展示されているのです。


会場は、東京メトロ千代田線の乃木坂駅から直結している国立新美術館です。

 

国立新美術館
Photo by enpiz.org

 

入場無料で誰でも気軽に入場することができるのが、この展覧会の素晴らしいところ。会場内の作品も写真撮影可能(フラッシュ撮影、動画撮影不可)。TwitterなどSNSにアップするのもOKです。(当ブログ内では、敬意を混めて著作者のクレジットを表記しています。)

 

第18回文化庁メディア芸術祭受賞作品展
©2014 Japan Media Arts Festival


こちらは、エンターテイメント部門。Googleの「Ingress」のブース。スマホの位置情報サービスを活用したゲームアプリです。Ingressの象徴となる「パワーキューブ」の本物が展示されていました。


文化庁メディア芸術祭、Ingress
©Google / Niantic Labs


床には、ファンからのラクガキ…いや、Ingressの世界観を知っている方には、実は意味があるらしいですね。僕自身はIngressはやっていないので、淡々と見てしまいました。


文化庁メディア芸術祭、Ingress
©Google / Niantic Labs


こちらは「のらもじ発見プロジェクト」です。プロジェクターに映し出された商店街の店先の画像、その前にはキーボード。このキーボードで店の看板に自由に文字を打ち込むことができるのです。


文化庁メディア芸術祭、のらもじプロジェクト
© 2014 Noramoji Project


この文字は、実際にある看板の文字を元にフォント化していて、公式サイトから誰でもダウンロードすることができます。ダウンロードは無料と有料を選択できて、有料だとこのプロジェクトに協力してくれたお店に「寄付」されます。地域活性化にもなっているんですね。(寄付金の一部は、プロジェクトの運営費にもなっている)


文化庁メディア芸術祭、のらもじプロジェクト
© 2014 Noramoji Project

 

こちらは「3RD」。オランダのクリエイティブチームよる、インタラクティブ・インスタレーション作品です。天井にカメラが設置されていて作品を見下ろしています。鳥の頭のような尖った被り物の中の小さなモニターにその映像が映し出されています。

 

視点はゲーム画面のようで、自分の身体を操作しながら障害物をよけて歩いている感じです。簡単なように思えて、視点と身体の感覚の差に違和感があるので、以外と歩くのが難しかったです。

 

文化庁メディア芸術祭、3RD
©Monobanda PLAY / DUS architects

 

次は、アニメーション部門。ロシアの短編アニメ作品の「The Wound」です。心に傷を負った少女のラクガキから生み出した「奇妙な生物」が、少女が大人になるにつれ、彼女の人生を支配する存在に膨れ上がってしまった、という物語。少々ダークです。

 


原画も展示していたのですが、個人的には自分が本当に描きたい絵は、こうゆうダークな雰囲気なものなので作品に見入ってしまいました。黒が魅力的に表現されています。


文化庁メディア芸術祭、The Wound
©Ural-Cinema
文化庁メディア芸術祭、The Wound
©Ural-Cinema


こちらは、映画「クレヨンしんちゃん・ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」です。絵コンテや原画も展示しています。


文化庁メディア芸術祭、映画クレヨンしんちゃん 「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2014


こちらは、映画「ジョバンニの島」の設定資料。この設定をもとにした機関車の模型も展示していました。かなり精巧に作られていました。


文化庁メディア芸術祭、ジョバンニの島
©2014 JAME

 

こちらはアルゼンチンの短編アニメーション「PADRE」で使用された人形。ストップモーションアニメなので、人形も間接が細かく動きます。特に顔の表現がとてもリアルです。


文化庁メディア芸術祭、PADRE
©Santiago Grasso


こちらは、新人賞の映画「たまこラブストーリー」の背景原画です。テレビ版の「たまこマーケット」は、しゃべる鳥「デラ」を主軸としたコメディでしたが、劇場版は、主人公の北白川たまこと幼なじみの大路もち蔵を主軸としたラブストーリー。新美術館から近くのシネマート六本木での特別上映会を見たのですが、やばいですね。最後ちょっと泣けました。


文化庁メディア芸術祭、たまこラブストーリー
©Kyoto Animation/Usagiyama Shopping Street

 

次はマンガ部門。島本和彦さんの「アオイホノオ」です。大作家芸術大学に通いながら漫画家を目指す焰燃(ホノオモユル)の日常を描いた「マンガ家マンガ」です。

 

文化庁メディア芸術祭、アオイホノオ
©Kazuhiko Shimamoto/SHOGAKUKAN


ネーム原画や制作で実際に使われたGペンも展示していました。実は、名前は知りつつも読んだことなかったですが、原画見て作品を読みたくなりました。


文化庁メディア芸術祭、アオイホノオ
©Kazuhiko Shimamoto/SHOGAKUKAN

 

こちらは、沙村広明さんの「春風のスネグラチカ」です。原画を見て、あまりの上手さにジックリと見入ってしまいました。画材も展示していましたが、Gペンではなくて、ピグマや筆ペンなんですね。

 

文化庁メディア芸術祭、春風のスネグラチカ
©Hiroaki Samura 2014
文化庁メディア芸術祭、春風のスネグラチカ
©Hiroaki Samura 2014
文化庁メディア芸術祭、春風のスネグラチカ
©Hiroaki Samura 2014

 

こちらは、池辺葵さんの「どぶがわ」の原画。そういえば、ここで展示されているマンガ作品って、どれもアナログですね。コミスタなどのデジタルで制作された作品は見かけませんでした。それとも気がつかなかっただけか…。

 

文化庁メディア芸術祭、どぶがわ
© AOI IKEBE


見開きでの原画です。2枚の原稿用紙をつなぎ合わせています。デジタル制作が一般化してしまったので、こうゆうアナログ感は逆に新鮮に思えてきます。


文化庁メディア芸術祭、どぶがわ
© AOI IKEBE

 

アニメやマンガの貴重な原画が見られて今年も大満足!無料なんだから、アニメやマンガ家を目指す学生とか見に来れば良いのに、と毎度思います。


文化庁メディア芸術祭公式サイト

http://j-mediaarts.jp/