イベントレポ│LINEスタンプの創作の裏側とは?LINEスタンプクリエイターのリアル

クリスマスイルミネーションでキラキラな渋谷ヒカリエ。向かう先は27階にあるLINE本社。12月18日に行われたLINE Creators MarketとポップメディアのKAI-YOUとのコラボ企画「LINEスタンプクリエイターのリアル」へ参加してきました。

 

巨大なコニー、ブラウニーたちがお出迎えのLINE本社

 

このイベントは、各分野で活躍しながら、スタンプクリエイターとしても話題となった田中光さん、たかくらかずきさん、もこうさん、吉永たつき(僕秩)の4名から創作の裏側を、そして、LINE社のスタンプ企画チームマネジャーの渡辺尚誠さんからLINE Creators Marketの現状をお話いただくイベントです。最後には、交流会もありました。

(※LINE社公開データ、画像、各LINEスタンプは、著作権法第32条「引用」に準じて掲載しています。各著作物の権利は、各著作者に帰属されています。)

 


11階の受付を済ませ、LINEの訪問者パスを受け取ると27階へ向かいます。LINEのライトグリーンの廊下を進むと、LINEスタンプでお馴染みのキャラクターが出迎えてくれました。(デカい!2mくらいあった)


LINEスタンプクリエイターのリアル
LINEスタンプクリエイターのリアル
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広いロビーに到着すると、すでに多くの参加者が席に着いていました。参加者は、抽選に運良く当選した100名。幸運にも一番前の席が空いていました。やったね。

 

 

LINE Creators Marketの現状

 

司会進行は、主催者でもあるKAI-YOUの代表・米村智水さんです。まずは、LINE社のスタンプ企画チームマネジャーの渡辺尚誠さんから「LINE Creators Marketの現状」についてお話いただきました。

 

 

4月16日のサービス開始から6ヶ月間経過した現在、LINEクリエイターズマーケットに登録者の数は27万人。国内だけでなく海外からの登録者もいて、130カ国で展開しています。すでに販売されているクリエイターズスタンプの数は約36,000点。審査中もしくは登録のみのクリエイターが23万人以上いるということになり、今後も続々とリリースされそうです。販売総額は35億9,000万円ということでした。

 

LINEスタンプクリエイターのリアル
LINEスタンプクリエイターのリアル
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6ヶ月の平均売上上位が公開されると、会場からどよめきが。トップ10の平均売上げ額は、なんと3,680万円!平均なので、1位のクリエイターはもっと高額売上げということですね。すごい!タロゥのスタンプは、トップ1000にも及びません…。

 

 

次に、販売額1万円以上に達したスタンプの割合ですが、40.8%でした。対して1万円未満は59.2%。10人中6人が分配金の申請もできない状態にあります。「出せば売れる!」という訳ではなく、売れるために各自のプロモーションする努力も大切ということですね。

 

 

各メディアでも注目されて、テレビ東京のワールドビジネスサテライト(WBS)では「LINE長者の秘密」と題して特集されました。(WBS公式サイトで動画が見られます。)各クリエイターにもLINEスタンプのキャラクターで書籍、ゲームアプリ、グッズ類など、著作物の二次利用による市場も活性化しています。うらやましい。渡辺さんは「スタンプ創作活動を文化に」とも仰っていましたが、すでにひとつの文化になりつつあります。

 

画像をクリックすると拡大します。
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先日発表された「LINE Creators Stamp Award 2014」の受賞スタンプを見ると「売れるスタンプの共通点」が2つあるそうです。1つは「使いやすいものになっているか?」、もう1つが「受け手が使ってみたいと思わせる工夫がされている」そうです。

 

LINE株式会社・広告事業グループ広告事業部 2014年10月〜2015年3月媒体資料より
LINE株式会社・広告事業グループ広告事業部 2014年10月〜2015年3月媒体資料より

 

上のグラフは、LINE社広告事業部が公開している「2014年10月〜2015年3月媒体資料」ですが、スタンプのダウンロードのきっかけに「友達がつかっていたので」が35.6%もあるあります。渡辺さんが話していた「受け手が使ってみたいと思わせる工夫」の重要性は、この「クチコミ効果」の高さからも分かります。(具体的なポイントは、下の質疑応答で説明します。)

 

話題のスタンプクリエイターたちの創作の裏側

 

続いて、スタンプクリエイターによるトークセッションです。スタンプ創作の裏側についてお話しいただきました。登場したのは、以下の4名です。

田中光さん(お笑い芸人、漫画家)

LINEスタンプ/サラリーマン山崎シゲル

たかくらかずきさん(イラストレーター、アートディレクター)

LINEスタンプ/DOD WORLD

もこうさん(実況動画「厨ポケ狩り講座」シリーズ)

LINEスタンプ/王のスタンプ

吉永たつき(僕秩)さん(サラリーマンクリエイター)

LINEスタンプ/ゆかいなエヅプトくんスタンプ(壁画ぽい版)

 

 

トークセッションの中でポイントになった部分を箇条書きにしてきます。(エルガー星人さんstarmix(スタミ)さんのTwitter、皆元千奈さんのレポも参考にさせていただきました。)

 

Q:スタンプを作ろうと思ったきっかけは?

田中さん:「サラリーマン山崎シゲル」という漫画を描いていて、リスクも無いので出すしかないと思った。あえて使いにくいスタンプを作ろうと思った。

 

Q:人気のあるスタンプを参考にしましたか?

田中さん:参考にしてないです。むしろ避けた。

たかくらさん:作ってる時は、まだドット絵のスタンプもそんなに多くなかった。スーファミくらいのドット絵にこだわってる。

もこうさん:自分が作りたいものを作った。

吉永さん:初期なので参考にするものも無く、LINEキャラ(ムーンなど)を参考にした。

 

Q:スタンプの制作環境は?

田中さん:所属する芸能事務所に液晶タブレット(ワコム)を置いて制作。

たかくらさん:KAI-YOUに居候して、PC、Photoshop、ペンタブレットで制作。

もこうさん:他の人に依頼したので、自分では作ってない。

吉永さん:領収書の裏に手描き。表の領収書が裏写りしているのがこだわり。

 

左から、田中光さん、たかくらかずきさん、もこうさん、吉永たつきさん。
左から、田中光さん、たかくらかずきさん、もこうさん、吉永たつきさん。

 

Q:スタンプの売上げ(分配金)は、どれくらいですか?

田中さん:芸能事務所に所属しているので、分配金から事務所に手数料を引かれた額が給料として渡される。「ほ~、これくらいかぁ」という感じ。

たかくらさん:レゴブロックの青いバケツが買えるぐらい。(1万円くらいとも返答)

もこうさん:初日1日で、新卒の初任給より高いくらい。

吉永さん:最近いくらか見てないですけど、半年で500万円くらい。

 

Q:宣伝などはしましたか?

田中さん:ほとんどしてない。Twitterとか。

たかくらさん:同じく。

もこうさん:Twitter、ニコ動、YouTubeなどいろいろ。

吉永さん:Twitter、Facebookなど。

 

田中光さんのスタンプ制作環境。所属事務所に液晶タブレットを置いて制作。
田中光さんのスタンプ制作環境。所属事務所に液晶タブレットを置いて制作。

 

吉永さんからは、スタンプのバランスについて、以下の発言がありましたが、これからスタンプを作る方には、重要なポイントではないでしょうか。



 

あとは、今後のLINEスタンプへの要望して「アニメスタンプを作りたい」との意見もありました。10月からキャラクターが動く「アニメスタンプ」がリリースされて、企業スタンプと公式スタンプのみに利用されています。

 

ちなみに僕自身、某R社さんの企業スタンプのアニメーション制作と絵コンテを担当しました。アニメ専業でない自分が作った実感としては「すさまじく難しい!」です。静止画のスタンプを作る10倍手間がかかりました。その分、出来上がった時の達成感はすごく大きいのも確かです。(もちろん「ヒットしてくれたから」ということもありますが…)

 

LINE渡辺さん、クリエイターの皆さんへの質疑応答

 

トークセッションが終わると、再びLINEの渡辺さんも登場し参加者からの質疑応答に移りました。しかし、質問が渡辺さんに集中してしまいました…。僕も渡辺さんへマネジメントに関する質問させていただきました。

 

Q:売れているクリエイターに対して、LINEがマネジメントなどする予定はありますか?

渡辺さん:先ほど紹介したぬいぐるみや、 カナヘイさんの無料スタンプに展開するなどはやっています。

(この無料スタンプが、LINE社からカナヘイさんにDL数に応じた報酬があるかどうかまでは聞きそびれました。ただ、有料スタンプへの購入に繋げるプロモーションとしては、かなり大きいと思います)

 

Q:審査基準が変わりましたか?

当初は、数十人で審査していたのですが、現在は3ケタの人数で審査しています。販売国が増え、国によって肌の色や表現や受け取り方が違うので、厳しくチェックしています。あと「イジメの問題」で父兄からお問い合わせもいただいていて、暴力的表現は特に厳しくしています。

 

他には、以下の質疑応答がありました。


 

受け手が使ってみたいと思わせる工夫とは?

 

この後、最初の「LINE Creators Marketの現状」でも話していた「受け手が使ってみたいと思わせる工夫」について話して下さいました。

 

自分が送ったスタンプは、画面右に表示されますが、相手から送られきたスタンプは画面左に表示されます。例えば「土下座」のスタンプを使ったとして、その土下座が右向きなら、自分に対して誤っているように見えますが、左向きだと「相手にお尻を向けている」ように見えてしまいます。だから「相手がどう見えているのか?」を想像しながら作るが使いやすさのポイントとのことでした。

 

タロゥPart2 パパになりました
タロゥPart2 パパになりました

 

吉永さんも、「エヅプト」は、このポイントをかなり意識して制作したそうです。タロゥのスタンプは、いくつか左向きのものがあるので、次は右向きを意識したいと思います。

 

いっぱい出逢えた!クリエイター交流会!

 

すべてのトークが終わったあとは、登場クリエイターや参加者を交えての交流会でした。LINEの渡辺さんともお話できたので良かったです。普段、他のスタンプクリエイターにお会いする機会もないので、いろんな方々とお話しできました。

 

皆さん、スタンプをアピールするための名刺を持ってきていて関心しました。僕は、自分の会社の名刺だけだったので、ブログとスタンプ用の名刺作ろうと思います。

 


19時から始まったイベントも瞬く間に3時間が過ぎてしまい、もう帰る時間。入口の横には、今月原宿でオープンしたばかりのLINE公式ショップでも販売しているグッズが並んでいたのですが、帰り際に参加者全員へのおみやげとして、ぬいぐるみをいただきました!僕のはコニーでした。LINEの皆さま、遅い時間までありがとうございました!