【著作権】ネットの自由VS著作権 TPPは終わりの始まりなのか

ニュースや新聞で、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の情報が伝えられますが、農業や工業製品の関税の話だけかと思いきや、実は著作権法の改定も含まれていると聞き、福井健策弁護士の著書「ネットの自由VS著作権 〜TPPは、終わりの始まりなのか〜」を読みました。


TPPで、日本の著作権法は変わるのか?

 

日本とアメリカの著作権の現状、アメリカが日本に対して要求している著作権を含む知的財産権の協議内容、メリット・デメリットについて解説されています。ニコニコ動画や初音ミクなど身近な話題を題材にしているので、とても分かりやすく読み応えがありました。

 

僕が気になったのは、以下の3つです。

 

■保護期間の大幅延長
現状の著作権保護期間である死後50年間を70年に延長。

■著作権、商標権の非親告罪化
現状は、被害者が告訴しなければ検察は侵害者に対して追訴できない(親告罪)が、被害者が告訴しなくても検察が違反者に対して自由に追訴できる。

■法定賠償金制度の導入
現状の実損による損害賠償金を、実損害の有無に関わらず裁判所がペナルティを含めた賠償金支払いを命じられる。

 

TPPと著作権法の法定賠償金制度のイラスト

 

アメリカの法定賠償金制度では、最高で約15万ドルの賠償金!

 

特に「法定賠償金制度の導入」について、日本とアメリカとでは賠償金に大きな差があるのだと分かり、目から鱗でした。例えばTwitterのアイコンに既存のアニメキャラを無断で使用し訴えられたとします。その損害額で言えば数百円~数千円程度で、弁護士費用の方が高くつく。故に泣き寝入りするしかありません。


しかし、アメリカでは法定賠償金制度により、損害の有無に関わらず裁判所がペナルティを含めた賠償金を請求できます。故意の場合は、1作品につき最高で15万ドル(約1,800万円)と超高額!やっぱりアメリカは桁違い…。

Wikipedia「法定損害賠償-アメリカ合衆国の項」参照

 

アニメなど著作権コンテンツの文化大国である日本に、これだけの変化が迫られていているにも関わらず、全く報道されないのがとても不思議でした。最終的に日本がTPP加盟国になるのか分かりませんが、著作権の現状を知る上でも、本書はかなり勉強になりました。オススメです。